この科目群について
第38回の 介護福祉士国家試験で、「障害の理解」は パートBに 入っていて、問題91〜100の 10問 でした。
合格するには、総得点の 合格基準(第38回は 125点のうち 64点以上)を 満たし、さらに 11の 科目群 すべてで 得点が あることが 必要でした。くわしくは 合格基準の 記事 を 見てください。
問題と 正答は、社会福祉振興・試験センターが 公開している 第38回の 試験問題と「合格基準・正答一覧」に よります。問題の 文は 変えていません。
解説は PassQuest が 独自に 書いたもので、社会福祉振興・試験センターとは 関係が ありません。
法律や 制度は、試験の あとに 変わることが あります。新しい 情報も、公式の 案内で 確かめてください。
問題の一覧
問題を 読んで、自分で 答えを 決めてから「答えと解説を見る」を 開いてください。
問題91
次のうち,障害福祉におけるソーシャルインクルージョン(social inclusion)の考え方の説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1障害のある人とない人を統合する社会
- 2障害のある人を権利侵害から守る社会
- 3障害のある人の意思決定を支援する社会
- 4障害のある人の最善の利益を考える社会
- 5障害のある人もない人も包摂する社会
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正答:5
正解は5です。ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)は、障害のある人もない人も、だれも排除されずに社会の一員として共に暮らせるようにする考え方です。分けるのではなく、みんなが参加できるように環境を整える発想が、支援の基本になります。
1.障害のある人とない人を統合する社会は、インテグレーション(統合)の考え方です。
2.権利侵害から守るのは、権利擁護(アドボカシー)の考え方です。
3.意思決定を支援するのは、意思決定支援の考え方です。
4.最善の利益を考えることは支援の大切な原則ですが、包摂の説明ではありません。
5.正解です。
問題92
知的障害に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1障害が発達期にあらわれる。
- 2障害の原因は明らかである。
- 3一般就労は不可能である。
- 4療育手帳の等級は障害支援区分で決める。
- 5運動発達の遅れは伴わない。
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正答:1
正解は1です。知的障害は、子どもが育つ時期(発達期)にあらわれ、知的なはたらきの遅れと、日常生活に必要な適応行動の困難がある状態をいいます。可能性を閉じず、得意・不得意を理解して、学び方や環境を調整することが自立につながります。
1.正解です。
2.原因が分からないことも多くあります。
3.支援を受けて一般就労している人もおり、不可能ではありません。
4.療育手帳の判定は、障害支援区分ではなく自治体の判定で決まります。
5.運動発達の遅れを伴うこともあります。
問題93
次のうち,後遺症によって片麻痺や言語障害を伴うことがある疾患や病態として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1脳血管障害(cerebrovascular disorder)
- 2糖尿病(diabetes mellitus)
- 3脊髄損傷(spinal cord injury)
- 4慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)
- 5クローン病(Crohn disease)
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正答:1
正解は1です。脳血管障害は、脳の血管が詰まったり破れたりして、脳の細胞が傷つく病気です。傷ついた側と反対の手足が動きにくくなる片麻痺や、言葉が出にくい失語などの言語障害が、後遺症として残ることがあります。残っている力を活かし、伝え方を工夫することが生活の鍵です。
1.正解です。
2.糖尿病では、神経障害や目・腎臓の合併症が起こりやすくなります。
3.脊髄損傷では手足の麻痺が起こりますが、言語障害は伴いません。
4.慢性閉塞性肺疾患は、息切れやせき、たんが続く肺の病気です。
5.クローン病は、腸に炎症が起こり、腹痛や下痢が続く病気です。
問題94
次の記述のうち,国際障害者年を契機に,日本の障害福祉に起きた変化として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1障害者を弱者として保護する捉え方が広まった。
- 2ノーマライゼーションの理念が徐々に浸透した。
- 3身体障害者福祉法の制定につながった。
- 4障害種別ごとの福祉サービス給付が始まった。
- 5措置制度から自立支援医療制度へ移行した。
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正答:2
正解は2です。国際障害者年をきっかけに、障害のある人もない人も同じ地域で共に暮らすというノーマライゼーションの考え方が、日本でも少しずつ広がりました。障害者を守られるだけの存在とみるのではなく、本人の希望や社会参加を支える方向へ変わっていきました。
1.保護するという見方はむしろ見直されたので、広まったとはいえません。
2.正解です。
3.身体障害者福祉法は、国際障害者年よりも前につくられた法律です。
4.障害の種類ごとのサービスは以前からあり、その後は種類をこえた仕組みへ進みました。
5.自立支援医療制度への移行はもっとあとの制度改正で、国際障害者年が理由ではありません。
問題95
次のうち,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)によくみられる症状として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1感覚障害
- 2失禁
- 3嚥下障害
- 4視力障害
- 5便秘
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正答:3
正解は3です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、体を動かす神経がだんだん働かなくなる病気です。飲み込むための筋肉も弱くなるので、嚥下障害が起こりやすくなります。誤嚥や栄養不足の危険があるため、食べ物の形や食事の姿勢を整え、看護職などと連携することが大切です。
1.感覚は保たれやすく、感覚障害はよくみられる症状ではありません。
2.排尿や排便の働きは保たれやすく、失禁は起こりにくいです。
3.正解です。
4.目の働きも保たれやすく、視力障害は特徴ではありません。
5.動きが少なくなって便秘になることはありますが、ALSによくみられる症状とはいえません。
問題96
Aさん(50歳,男性)は,以前は一人暮らしをしていたが,現在は統合失調症(schizophrenia)のため長期入院をしている。症状が軽快して安定したため,医師から間もなく退院できるという説明があった。Aさんは以前と同じように独居を希望しているが,一人で住居を探すのに不安がある。
次のうち,Aさんの希望を実現するために利用する公的な支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1地域定着支援
- 2自立生活援助
- 3地域移行支援
- 4生活介護
- 5同行援護
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正答:3
正解は3です。Aさん(50歳、男性)は今も入院中で、退院して前と同じように一人暮らしをしたいと希望していますが、住まいを探すことに不安があります。地域移行支援は、入院や入所をしている人が地域で暮らし始められるように、住まい探しや見学の同行、関係する機関との調整などを行う支援です。
1.地域定着支援は、すでに一人で暮らしている人を連絡できる体制でささえ、緊急のときに対応する支援です。
2.自立生活援助は、一人暮らしを始めたあとに定期的に訪問して様子を確かめる支援です。
3.正解です。
4.生活介護は、日中に介護や活動の場を提供するサービスです。
5.同行援護は、目の見えにくい人の外出をたすける支援です。
問題97
Aさん(45歳,男性)は,1年前,交通事故で頭部外傷を負った。四肢に障害は残らなかったが,高次脳機能障害(higher brain dysfunction)と診断された。
次の記述のうち,Aさんの障害特性を理解した支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1記憶障害によって同じことを何度も質問するが,一度だけ質問に答える。
- 2注意障害によって作業のミスが多いため,その度ごとに強く注意する。
- 3遂行機能障害によって指示されないと作業ができないため,自分の判断でやるように促す。
- 4社会的行動障害によってすぐに怒りだすことがあるため,感情が落ち着くように場面や話題を変える。
- 5病識低下によってできないことを認めないため,できないことを指摘する。
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正答:4
正解は4です。Aさん(45歳、男性)は交通事故のあと、高次脳機能障害と診断されています。社会的行動障害ですぐに怒り出すときは、しかったり言い聞かせたりするよりも、場面を変える、話題を変えるなどして気持ちが落ち着く環境をつくることが役立ちます。
1.記憶障害では、何度でも答える、メモや貼り紙を使うなどの工夫が必要です。
2.強く注意しても改善しません。ミスが減るように環境を整えます。
3.遂行機能障害では、手順を分けて示すなどの助けが必要です。
4.正解です。
5.できないことを指摘すると自信を失うので、できることに目を向けます。
問題98
次のうち,「障害者総合支援法」に規定する補装具として,適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
- 1特殊寝台
- 2電動車椅子
- 3点字器
- 4電気式たん吸引器
- 5ストーマ装具
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正答:2
正解は2です。補装具は、失われた体の機能を補い、長い間続けて使う用具のことです。電動車椅子は自分で移動する力を補う用具なので、補装具にあたります。体に合っているかの確認や、安全な使い方の説明も大切です。
1.特殊寝台は補装具ではなく、日常の生活をたすける用具として扱われます。
2.正解です。
3.点字器は補装具ではなく、日常生活用具として扱われます。
4.電気式たん吸引器も、日常生活用具にあたります。
5.ストーマ装具も、日常生活用具にあたります。
問題99
次の記述のうち,地域における障害者のサポート体制として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1介護支援専門員は,サービス等利用計画を作成する。
- 2相談支援専門員は,個別支援計画を作成する。
- 3基幹相談支援センターは,障害支援区分を決定する。
- 4地域包括支援センターは,要介護度を決定する。
- 5市町村は,地域生活支援事業を行う。
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正答:5
正解は5です。市町村は地域生活支援事業を行い、相談支援や移動支援、日常生活用具の給付など、地域で暮らすための土台を整えます。だれがどの役割を担うのかを知っておくと、必要な支援につなげやすくなります。
1.サービス等利用計画をつくるのは相談支援専門員です。
2.個別支援計画をつくるのはサービス管理責任者です。
3.障害支援区分を決めるのは市町村です。
4.要介護度を決めるのも市町村で、地域包括支援センターではありません。
5.正解です。
問題100
次のうち,障害があるためスプーンがうまく握れない人に自助具を作成する職種として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1看護師
- 2義肢装具士
- 3理学療法士
- 4作業療法士
- 5言語聴覚士
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正答:4
正解は4です。自助具は、体の使い方に合わせて道具を工夫し、自分でできる動作を増やすためのものです。作業療法士は食事などの日常生活の動作を細かく見て、にぎりを太くするなどスプーンの工夫を考え、作ることができます。
1.看護師は、健康の管理や医師の指示による処置を担当します。
2.義肢装具士がつくるのは義肢や装具で、自助具ではありません。
3.理学療法士は、起き上がりや歩行など基本的な動作の回復を支えます。
4.正解です。
5.言語聴覚士は、ことばや聞こえ、飲み込みの支援を担当します。
出典
- 社会福祉振興・試験センター「過去の試験問題」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 介護福祉士国家試験 合格基準・正答一覧」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_kijun_seitou.pdf - 社会福祉振興・試験センター「過去問題利用にあたっての留意事項等」
https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 試験問題(障害の理解)」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_pm_04_38.pdf
確かめた日:2026年11月6日
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