この科目群について
第38回の 介護福祉士国家試験で、「社会の理解」は パートAに 入っていて、問題13〜24の 12問 でした。
合格するには、総得点の 合格基準(第38回は 125点のうち 64点以上)を 満たし、さらに 11の 科目群 すべてで 得点が あることが 必要でした。くわしくは 合格基準の 記事 を 見てください。
問題と 正答は、社会福祉振興・試験センターが 公開している 第38回の 試験問題と「合格基準・正答一覧」に よります。問題の 文は 変えていません。
解説は PassQuest が 独自に 書いたもので、社会福祉振興・試験センターとは 関係が ありません。
法律や 制度は、試験の あとに 変わることが あります。新しい 情報も、公式の 案内で 確かめてください。
問題の一覧
問題を 読んで、自分で 答えを 決めてから「答えと解説を見る」を 開いてください。
問題13
民法の親族に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1三親等内の血族を家族と規定している。
- 2六親等内の姻族を親族と規定している。
- 3いとこは互いに扶養する義務があると規定している。
- 4同居する親族は互いに扶け合わなければならないと規定している。
- 5養子と養親の間には,親族関係は生じない。
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正答:4
正解は4です。民法には、直系血族と同居の親族は、お互いに助け合わなければならないという決まりがあります。家族の法律上の関係を知っておくと、支援の背景を整理しやすくなります。
1.民法は「親族」の範囲を決めていますが、「家族」を定義してはいません。
2.親族に入る姻族は三親等内までです。六親等内という範囲は血族のほうです。
3.いとこどうしに扶養の義務はありません。扶養の義務があるのは、直系血族と兄弟姉妹が中心です。
4.正解です。
5.養子縁組をすると、養子と養親の間に親子と同じ親族関係が生じます。
問題14
次の記述のうち,「令和4(2022)年 国民生活基礎調査」(厚生労働省)における,高齢者に関する調査結果として,適切なものを1つ選びなさい。
- 165歳以上の者のいる世帯の世帯構造で最も多いのは,親と未婚の子のみの世帯である。
- 2高齢者世帯は5割以上を占めている。
- 3要介護者等と同居の主な介護者の年齢の組合せでは,65歳以上同士が約6割を占めている。
- 4介護が必要となった理由の第1位は,骨折・転倒である。
- 51世帯当たりの平均所得金額では,高齢者世帯では600万円を超えている。
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正答:3
正解は3です。要介護者等と同居している主な介護者を年齢でみると、介護する人もされる人も65歳以上という組合せが約6割を占めます。いわゆる老老介護で、体と心の負担が重なりやすいため、地域での支えがますます必要になっています。
1.65歳以上の人がいる世帯で最も多いのは、夫婦のみの世帯です。
2.高齢者世帯は全世帯の3割ほどで、5割は超えていません。
3.正解です。
4.介護が必要になった理由の第1位は認知症で、骨折・転倒はそれより下の順位です。
5.高齢者世帯の1世帯当たりの平均所得は、600万円よりかなり低い金額です。
問題15
Aさん(78歳,女性)は,一人暮らしである。家事や買物は,時間はかかるが,できるだけ自分で取り組んでいる。近くに頼れる親族がいないため,緊急時にすぐに通報できる公共サービスを利用している。Aさんは,定期的に市の窓口や地域包括支援センターに今後の生活支援について相談している。近所には,毎日散歩を一緒にしている友人グループがいて,散歩に来ない仲間がいると訪問して声をかけあっている。
次のうち,Aさんの生活を支える自助に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1Aさんが身辺のことを,時間をかけてもやること
- 2緊急時にすぐに通報できる公共サービスを利用していること
- 3市の窓口の職員が相談に応じること
- 4地域包括支援センターの職員が相談に応じること
- 5散歩仲間が声をかけあっていること
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正答:1
正解は1です。自助とは、自分のことを自分の力で行い、自分で生活を整えることです。Aさんは78歳で一人暮らしですが、家事や買物は時間がかかっても、できるだけ自分で取り組んでいます。これがAさんの生活を支える自助にあたります。
1.正解です。
2.緊急時にすぐ通報できる公共サービスは、行政が用意した仕組みなので公助です。
3.市の窓口の職員が相談に応じることも公助です。
4.地域包括支援センターの職員が相談に応じることも公助にあたります。
5.散歩仲間が声をかけあうことは、住民どうしの支え合いなので互助です。
問題16
介護保険制度における介護サービス利用に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
- 165歳未満の者は,保険給付の対象外である。
- 2保険給付には,支給限度額がある。
- 3要介護認定の有効期限は,原則として3か月である。
- 4保険給付による福祉用具の貸与は,要介護3以上の者が対象である。
- 5地域包括支援センターに相談する前に,要介護認定を受ける必要がある。
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正答:2
正解は2です。介護保険のサービスには、要介護度ごとに1か月に使える金額の上限(支給限度額)があります。上限を超えて使った分は全額自己負担になるため、計画的にサービスを使うことが生活の安定につながります。
1.40歳以上65歳未満の人も、加齢に伴う決められた病気が原因であれば給付の対象になります。
2.正解です。
3.要介護認定の有効期間は、新規の場合は原則6か月で、3か月ではありません。
4.福祉用具の貸与は要支援の人でも使える種目があり、要介護3以上に限られません。
5.地域包括支援センターには、要介護認定を受ける前でも相談できます。
問題17
次の記述のうち,障害者福祉の歴史的展開として,最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「精神薄弱者福祉法」とは,現在の知的障害者福祉法のことである。
- 1国際連合の障害者の権利に関する条約の影響を受け,障害者基本法に「社会的障壁の除去」が規定された。
- 2第二次世界大戦後5年以内に,優生保護法が廃止された。
- 3「精神薄弱者福祉法」の制定によって,知的障害者の入所施設からの地域移行が推進された。
- 4社会福祉基礎構造改革によって,高齢者より先に障害者の福祉制度が利用契約制度となった。
- 5身体障害,知的障害,精神障害のうち,福祉に関する法律の制定が最も早かったのは知的障害である。
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正答:1
正解は1です。障害者の権利に関する条約の考え方を受けて、障害者基本法に「社会的障壁の除去」が定められました。障害を本人だけの問題とせず、社会の側にある壁を取り除くという見方は、今の支援の土台になっています。
1.正解です。
2.優生保護法は第二次世界大戦後につくられ、なくなったのはずっとあとのことです。
3.「精神薄弱者福祉法」は入所施設の整備を進めた法律で、地域移行を進めたものではありません。
4.利用契約の仕組みは、高齢者の介護保険が先に始まり、障害者の制度はそのあとです。
5.福祉に関する法律が最も早くつくられたのは、身体障害の分野です。
問題18
次の記述のうち,障害者福祉に関係する機関やシステムとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1地域活動支援センターは,補装具の判定を行う。
- 2基幹相談支援センターには,介護福祉士の配置が義務となっている。
- 3都道府県は,身体障害者更生相談所を設置しなければならない。
- 4都道府県は,障害支援区分の認定を行う。
- 5利用者負担の額は,市町村障害福祉計画によって決められる。
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正答:3
正解は3です。身体障害者更生相談所は、都道府県が必ず設置しなければならない専門の機関です。補装具が必要かどうかの判定など、専門的な相談や判定を行います。国・都道府県・市町村のどれが行うのかを整理すると、制度が分かりやすくなります。
1.補装具の判定を行うのは身体障害者更生相談所です。地域活動支援センターは、創作活動や交流の場を提供するところです。
2.基幹相談支援センターに介護福祉士を置くことは義務ではありません。
3.正解です。
4.障害支援区分の認定を行うのは市町村です。
5.利用者負担の額は国が定める基準にそって決まり、市町村障害福祉計画で決めるものではありません。
問題19
障害者虐待防止に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
- 1養護者による虐待が疑われる障害者を発見した場合,都道府県へ通報する義務がある。
- 2著しく拒絶的な対応は身体的虐待に当てはまる。
- 3使用者による障害者虐待は含まれない。
- 4行政職員が障害者福祉施設等に,立ち入り調査を行うことは許されていない。
- 5虐待を発見した障害者福祉施設従事者が通報した場合,業務上の守秘義務違反にはならない。
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正答:5
正解は5です。障害者虐待防止法では、虐待を見つけた人が通報しても、それは仕事上の守秘義務違反にはならないと決められています。施設で働く人が安心して通報できるようにするためです。早く気づいて早く伝えることが、被害が大きくなるのを防ぎます。
1.養護者による虐待が疑われるときの通報先は、都道府県ではなく市町村です。
2.著しく拒絶的な対応は、身体的虐待ではなく心理的虐待にあたります。
3.雇い主(使用者)による障害者虐待も、この法律の対象に含まれます。
4.行政の職員が障害者福祉施設等に立ち入り調査を行うことは認められています。
5.正解です。
問題20
Aさん(82歳,女性,要介護1)は,自宅で一人暮らしをしている。外出機会が少ないAさんを心配して,民生委員が定期的に見守りを行っている。ある日,民生委員から地域包括支援センターに,「Aさんのように,家に閉じこもりがちな要介護者が増えている。民生委員だけでは十分な見守りができない」と相談があった。
次の記述のうち,地域包括支援センターの職員の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1高齢者本人による相談が原則のため,Aさん自身が相談に来るように促す。
- 2介護サービスを利用するため,Aさんのケアプランを作成する。
- 3フォーマルな社会資源の活用を優先し,民生委員のかかわりを制限する。
- 4地域ケア会議において,関係者と地域課題について話し合う。
- 5要介護者の実態を把握するために,介護保険審査会を設置する。
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正答:4
正解は4です。民生委員からの相談は、Aさん一人のことだけでなく、「閉じこもりがちな要介護者が増えている」という地域全体の課題です。地域包括支援センターは地域ケア会議を開き、関係者と一緒に地域の課題を話し合って解決の方法を考えます。
1.本人からの相談が原則という決まりはなく、周りの人からの相談も受けます。
2.要介護1のAさんのケアプランは、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が作ります。
3.民生委員の見守りは大切な地域の力なので、かかわりを制限するのは適切ではありません。
4.正解です。
5.介護保険審査会は都道府県に置かれる機関で、地域包括支援センターが設置するものではありません。
問題21
法定後見制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 165歳未満の者は利用することができない。
- 2判断能力が十分ある者には,後見人をつけることができない。
- 3市町村長は,後見開始の審判を請求することができない。
- 4法人を後見人に選任することはできない。
- 5後見人は財産管理を行うことはできない。
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正答:2
正解は2です。法定後見制度は、認知症や知的障害などで判断する力が十分でなくなった人を守る仕組みです。判断能力が十分にある人は対象にならないので、後見人をつけることはできません。将来に備えたい場合は、任意後見という別の仕組みがあります。
1.年齢の決まりはなく、65歳未満の人も利用できます。
2.正解です。
3.身寄りがない場合などに、市町村長が後見開始の審判を申し立てることができます。
4.社会福祉協議会などの法人も後見人に選ばれます。
5.本人の財産を管理することは、後見人の大切な仕事の一つです。
問題22
有料老人ホームに関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
- 1入居する高齢者に,介護,食事の提供,家事,健康管理のうち1つ以上のサービスを提供する。
- 2状況把握サービスと生活相談サービスの提供が義務づけられている。
- 3自立した高齢者は,入居の対象外である。
- 4共生型サービスとして,指定を受けることができる。
- 5介護保険制度の指定対象外である。
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正答:1
正解は1です。有料老人ホームは、入居している高齢者に、介護、食事の提供、洗濯や掃除などの家事、健康管理のうち、少なくとも1つのサービスを提供する住まいです。どのサービスを行うかで役割が変わるので、種類ごとの違いを知っておくと、本人や家族への説明に役立ちます。
1.正解です。
2.状況把握サービスと生活相談サービスが義務づけられているのは、サービス付き高齢者向け住宅です。
3.自立している高齢者が入居できる有料老人ホームもあります。
4.共生型サービスの指定を受けるのは訪問介護や通所介護などの事業所で、有料老人ホームそのものではありません。
5.介護付きの有料老人ホームは、介護保険の特定施設入居者生活介護の指定を受けます。
問題23
生活困窮者自立支援法に関する記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。
- 1障害者は対象から除外されている。
- 2生活困窮者自立相談支援事業は,社会福祉法人へ委託できない。
- 3生活困窮者自立相談支援事業は,市にとって任意事業である。
- 4生活困窮者住居確保給付金の支給は,市にとって必須事業である。
- 5都道府県の責務は規定されていない。
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正答:4
正解は4です。生活困窮者住居確保給付金は、仕事を失うなどして家賃が払えなくなった人に、一定の期間、家賃にあたるお金を支給する制度で、福祉事務所を置く市などが必ず行う必須事業です。住まいが安定することが、生活を立て直す第一歩になります。
1.障害のある人も、生活に困っていれば対象になります。
2.生活困窮者自立相談支援事業は、社会福祉法人などに委託することができます。
3.生活困窮者自立相談支援事業も任意事業ではなく、必須事業です。
4.正解です。
5.都道府県にも、この法律の中で果たすべき役割が定められています。
問題24
次の記述のうち,生活保護制度における補足性の原理として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1申請に基づいて保護を行う。
- 2国の定める基準によって測定された需要をもとに保護を行う。
- 3個人の必要に応じてできるだけ早く保護を行う。
- 4資産・能力を活用した上で保護を行う。
- 5世帯を単位として保護を行う。
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正答:4
正解は4です。補足性の原理とは、自分の持っている資産や働く能力、他の法律による給付をまず活用してもらい、それでも足りない部分を生活保護で補うという考え方です。生活保護は自立を支える制度だと理解すると、この原理の意味がよく分かります。
1.申請に基づいて保護を行うのは、申請保護の原則です。
2.国の定める基準で測った需要をもとにするのは、基準及び程度の原則です。
3.個人の必要に応じてできるだけ早く保護するのは、必要即応の原則です。
4.正解です。
5.世帯を単位として保護を行うのは、世帯単位の原則です。
出典
- 社会福祉振興・試験センター「過去の試験問題」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 介護福祉士国家試験 合格基準・正答一覧」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_kijun_seitou.pdf - 社会福祉振興・試験センター「過去問題利用にあたっての留意事項等」
https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 試験問題(社会の理解)」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_am_03_38.pdf
確かめた日:2026年11月6日
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