この科目群について
第38回の 介護福祉士国家試験で、「人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術」は パートAに 入っていて、問題25〜34の 10問 でした(人間関係とコミュニケーション 4問・コミュニケーション技術 6問)。
合格するには、総得点の 合格基準(第38回は 125点のうち 64点以上)を 満たし、さらに 11の 科目群 すべてで 得点が あることが 必要でした。くわしくは 合格基準の 記事 を 見てください。
問題と 正答は、社会福祉振興・試験センターが 公開している 第38回の 試験問題と「合格基準・正答一覧」に よります。問題の 文は 変えていません。
解説は PassQuest が 独自に 書いたもので、社会福祉振興・試験センターとは 関係が ありません。
法律や 制度は、試験の あとに 変わることが あります。新しい 情報も、公式の 案内で 確かめてください。
問題の一覧
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問題25
新人職員のAさん(20歳)は,子どもの頃からの夢だった介護福祉職になり,がんばって働いていた。ただ,介護の技術をもっと学ぶ必要があるといつも感じていた。ある日,利用者Bさんに,「Aさんじゃダメだ,別の人を呼んで」と言われて,ショックを受けた。悩むうちに利用者とかかわりたくないと感じるようになり,眠れなくなってしまった。
次の記述のうち,このような状況にあるAさんが,ストレスを取り除くためにまず行うべき対処方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1つらさから逃げず,学びが足りないことを自覚する。
- 2介護の技術がうまくなるために,全力で取り組む。
- 3眠れるように,毎晩飲酒する。
- 4上司や同僚などに悩みを話して,助言を受ける。
- 5介護福祉職には向かないと判断して,転職する。
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正答:4
正解は4です。Aさんは20歳の新人で、Bさんに「Aさんじゃダメだ」と言われてショックを受け、眠れなくなっています。このように一人で悩みを抱えているときは、まず上司や同僚に気持ちを話し、助言をもらうことが大切です。話すことで気持ちが軽くなり、これからの対応も一緒に考えられます。
1.学びが足りないと自覚するだけでは、つらさは軽くなりません。
2.全力で取り組むことは、今のAさんにはさらに負担になります。
3.毎晩の飲酒は体をこわし、眠りの質も悪くします。
4.正解です。
5.転職を決めるのは、まず相談してからでも遅くありません。
問題26
Aさんは有料老人ホームに入所したばかりである。ある日,廊下を行ったり来たりしているAさんに,B介護福祉職が声をかけた。Aさんは,「私の部屋はどこですか」と困った様子で答えた。B介護福祉職が,「ここから2つ隣の部屋です」と伝えると,Aさんは,「どこですか」と不安そうな表情で聞いた。B介護福祉職は非言語的コミュニケーションを用いて伝えることにした。
次の記述のうち,B介護福祉職が用いた非言語的コミュニケーションとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ゆっくり話した。
- 2大きな声で伝えた。
- 3Aさんの部屋の番号を紙に書いて渡した。
- 4Aさんに近づいた。
- 5Aさんの部屋のドアを指差した。
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正答:5
正解は5です。非言語的コミュニケーションとは、言葉を使わずに気持ちや情報を伝える方法です。Aさんは「どこですか」と不安そうにしているので、B介護福祉職が部屋のドアを指差せば、目で見て場所が分かり、不安が小さくなります。
1.ゆっくり話すのは、言葉で伝えるときの話し方の工夫です。それだけでは、部屋の場所を目で見て分かる形では示せません。
2.大きな声で伝えることも、言葉で伝えるときの声の工夫です。それだけでは、部屋の場所を目で見て分かる形では示せません。
3.部屋の番号を紙に書いて渡すのは文字を使うので、言語的コミュニケーションです。
4.近づくことは非言語ですが、それだけでは部屋の場所は伝わりません。
5.正解です。
問題27
次のうち,介護福祉施設におけるコンプライアンスの意味として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1法令を遵守すること
- 2給与を引き上げること
- 3連携を促進すること
- 4介護技術の向上に努めること
- 5管理体制を強化すること
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正答:1
正解は1です。コンプライアンスとは、法令や施設の決まり、職業倫理を守ることです。介護の現場では、手順を守り、記録をきちんと残し、必要なことを報告することが、利用者や家族の信頼を守ります。迷ったときほど基準に立ち返り、チームで共有して改善していきます。
1.正解です。
2.給与を引き上げることは労働条件の改善で、コンプライアンスの意味ではありません。
3.連携を促進することは大切ですが、これはチームワークのことです。
4.介護技術の向上に努めることは専門職としての学びで、法令を守ることとは別です。
5.管理体制の強化はコンプライアンスを支える方法の一つですが、言葉の意味そのものではありません。
問題28
入社して3か月のA介護福祉職は,初めて夜勤を経験したとき,排泄チェック表の記入でミスをしてしまった。起床介助で忙しい時間に記入したために,記載箇所を間違えてしまった。A介護福祉職は自身のミスを受け入れられず,落ち込んでいる。
次の記述のうち,A介護福祉職に対する支持的スーパービジョンとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1同僚と一緒に排泄チェック表を確認する。
- 2施設長から再発防止に向けた対応を指示する。
- 3上司がA介護福祉職の気持ちの理解に努めつつ,状況を確認する。
- 4看護師が利用者のその後の状況を確認する。
- 5業務マニュアルを見直して,上司が必要な修正を行う。
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正答:3
正解は3です。支持的スーパービジョンとは、上司が部下の気持ちを受け止め、不安や落ち込みを支えて、安心して働けるようにするはたらきです。A介護福祉職は自分のミスを受け入れられずに落ち込んでいるので、上司が気持ちの理解に努めながら状況を確認することが、最も適切な対応です。
1.同僚と一緒にチェック表を確認するのは事実の確かめで、スーパービジョンとは言えません。
2.施設長が再発防止の対応を指示するのは、管理的なはたらきです。
3.正解です。
4.看護師が利用者のその後を確認するのは、利用者の安全を守る行動です。
5.業務マニュアルの見直しも、管理的なはたらきにあたります。
問題29
次のうち,利用者とのコミュニケーション場面で,介護福祉職が行う自己開示の目的として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1自己の潜在意識を活用するため
- 2利用者との信頼関係を評価するため
- 3利用者に自分自身の情報を知らせるため
- 4利用者との信頼関係を形成するため
- 5自己を深く分析し,客観的に理解するため
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正答:4
正解は4です。自己開示とは、介護福祉職が自分のことを相手に合わせて適度に話すことです。その目的は、利用者との心の距離を縮めて、信頼関係をつくることにあります。話しすぎると相手の負担になるので、相手の反応を見ながら話す量を調整します。
1.自分の潜在意識を活用することは、自己開示の目的ではありません。
2.信頼関係を評価するためではなく、つくるために行います。
3.自分の情報を知らせることは方法であって、目的そのものではありません。
4.正解です。
5.自分を深く分析して客観的に理解することは、自己開示ではなく自己覚知です。
問題30
A介護福祉職は,認知症(dementia)のあるBさん(80歳,女性)と会話をしている。Bさんは,「私は小さい頃毎年お祭りに行くことが楽しみでね」「なんだか最近ひざが痛いような気がしてね」「今から何をしようかしらね」と,次々に話している。A介護福祉職は,Bさんが混乱しないように,「Bさん,子どもの頃の思い出や体調のことをお話しくださっているのですね」と返答した。
次のうち,A介護福祉職が行ったコミュニケーション技術として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1要約
- 2承認
- 3賞賛
- 4共感
- 5同意
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正答:1
正解は1です。要約とは、相手が話した内容の要点をまとめて言葉にして返す技術です。Bさんは子どもの頃の思い出、ひざの痛み、これからのことを次々に話しています。A介護福祉職は話をさえぎらず、「子どもの頃の思い出や体調のことをお話しくださっているのですね」と要点をまとめて返しました。話の流れが整理され、Bさんも安心できます。
1.正解です。
2.承認は、相手の行いや存在を認めて言葉にすることです。
3.賞賛は、相手をほめることです。
4.共感は、相手の気持ちを自分のことのように感じて伝えることです。
5.同意は、相手の意見に賛成することです。
問題31
次の記述のうち,利用者の家族との関係づくりにおける介護福祉職の基本姿勢として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1お互いの緊張が解けるまでじっと待つ。
- 2介護福祉職のペースで話を進める。
- 3利用者の意向よりも家族の意向を優先する。
- 4家族への連絡は最小限にする。
- 5利用者支援で協働するパートナーとして接する。
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正答:5
正解は5です。家族は支援を受ける側であると同時に、利用者を一緒に支えるパートナーです。介護福祉職は家族の話をよく聴いて不安を受け止め、情報を共有しながら役割を分担し、家族の負担が軽くなるようにかかわります。
1.緊張が解けるまでじっと待つだけでは関係はつくれません。介護福祉職から声をかけることが必要です。
2.介護福祉職のペースではなく、家族のペースに合わせて話を進めます。
3.利用者の意向を大切にしたうえで、家族の思いも聴いて調整します。
4.連絡を最小限にすると行き違いが起こりやすくなります。
5.正解です。
問題32
Aさん(80歳,女性,要介護3)は中途障害の全盲である。介護老人福祉施設に入所している。最近,食堂の席の入れ替えがあった。Aさんは同じテーブルの利用者同士の会話を,自分に向けて話しかけられていると思って,応答した。しかし,誰からも反応はなく,Aさんは下を向いてしまった。その様子を見たB介護福祉職は,Aさんの状況に対応するために,同じテーブルの利用者にAさんの事情を話し,協力を求めた。
次の記述のうち,B介護福祉職が同じテーブルの利用者に協力を依頼した内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1Aさんは疲れているので,部屋で休むように伝えてほしい。
- 2Aさんは不安なので,そっと手を握ってほしい。
- 3Aさんにもわかるように,話す相手の名前を呼んでから話しかけてほしい。
- 4Aさんが混乱するので,食堂での会話は控えてほしい。
- 5Aさんは施設の予定がわからないので,これから食事だと教えてほしい。
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正答:3
正解は3です。Aさんは全盲なので、誰が誰に向かって話しているのかを目で見て確かめられません。同じテーブルの利用者が名前を呼んでから話しかければ、Aさんは自分に向けられた言葉かどうかが分かり、会話に入りやすくなります。周りの人にAさんの事情を伝えて協力してもらうことは、Aさんの参加を支える適切な方法です。
1.疲れを理由に部屋へ戻すのは、Aさんの参加の機会を奪ってしまいます。
2.見えない人に急に触れると驚かせるので、先に声をかけることが大切です。
3.正解です。
4.会話を控えてもらうことは、周りの利用者の楽しみを奪います。
5.Aさんが困っているのは施設の予定ではなく、話し相手が分からないことです。
問題33
Aさん(72歳,男性)は記憶障害があり,介護施設に入居している。ある日,介護福祉職にAさんが,「あの,ちょっとお願いがあるんです。ええとね,実は,お昼ご飯をほとんど残しちゃいました…。それでね…,あ,あれかな,調理師さんはがっかりしたかな,私はずっと食堂をやっていたんですよ。店はけっこう繁盛していたけど閉めることになってね。あ,ええと何の話だったかな…」と話しかけてきた。
次のうち,このときのAさんの発言を促すための介護福祉職の応答として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「Aさんは,お店を閉めたくなかったのですね」
- 2「Aさんは,どんな料理が得意だったのですか」
- 3「調理師さんのことは気にしなくていいですよ」
- 4「どこかからだの具合が悪いのではないですか」
- 5「何かお願いがあるのではありませんか」
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正答:5
正解は5です。Aさんには記憶障害があり、最初に「ちょっとお願いがあるんです」と話し始めましたが、話がそれて「何の話だったかな」と分からなくなっています。最初に言っていた言葉を返すことで、Aさんは本当に伝えたかったお願いを思い出し、話しやすくなります。
1.店を閉めた話に戻すと、お願いの話から離れてしまいます。
2.料理の話も楽しい話題ですが、Aさんの用件には戻りません。
3.気にしなくていいと言うと、そこで話が終わってしまいます。
4.体調の話にすり替えると、Aさんの発言を促せません。
5.正解です。
問題34
次の記述のうち,客観的事実に該当するものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1利用者Aは,楽しかったはずだ。
- 2利用者Aは,朝食のパンを残した。
- 3利用者Aは,何か言いたそうだった。
- 4利用者Aは,不安だったと思う。
- 5利用者Aは,退屈そうにしていた。
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正答:2
正解は2です。客観的事実とは、誰が見ても同じように確かめられることです。「朝食のパンを残した」は、実際に見れば誰にでも分かることなので客観的事実です。「楽しかったはずだ」「不安だった」などは、書いた人の推測や評価です。記録では事実と推測を分けて書くと、ほかの職員と正確に情報を共有できます。
1.「はずだ」は書いた人の推測です。
2.正解です。
3.「言いたそうだった」は見た人の受け取り方です。
4.「思う」は気持ちの推測です。
5.「退屈そう」は様子から判断した評価です。
出典
- 社会福祉振興・試験センター「過去の試験問題」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 介護福祉士国家試験 合格基準・正答一覧」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_kijun_seitou.pdf - 社会福祉振興・試験センター「過去問題利用にあたっての留意事項等」
https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 試験問題(人間関係とコミュニケーション)」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_am_04_38.pdf - 社会福祉振興・試験センター「第38回 試験問題(コミュニケーション技術)」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_am_05_38.pdf
確かめた日:2026年11月6日
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