この科目群について
第38回の 介護福祉士国家試験で、「生活支援技術」は パートAに 入っていて、問題35〜60の 26問 でした。
合格するには、総得点の 合格基準(第38回は 125点のうち 64点以上)を 満たし、さらに 11の 科目群 すべてで 得点が あることが 必要でした。くわしくは 合格基準の 記事 を 見てください。
問題と 正答は、社会福祉振興・試験センターが 公開している 第38回の 試験問題と「合格基準・正答一覧」に よります。問題の 文は 変えていません。
解説は PassQuest が 独自に 書いたもので、社会福祉振興・試験センターとは 関係が ありません。
法律や 制度は、試験の あとに 変わることが あります。新しい 情報も、公式の 案内で 確かめてください。
問題の一覧
問題を 読んで、自分で 答えを 決めてから「答えと解説を見る」を 開いてください。
問題35
次の記述のうち,介護福祉職が行う利用者の生活支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1利用者ができないことを代わりに行うことに重点を置く。
- 2利用者の全体像をとらえて支援する。
- 3利用者がすべてを自分一人でできるようにする。
- 4利用者の生活の効率化を図ることを目標にする。
- 5利用者に同情する気持ちで寄り添う。
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正答:2
正解は2です。生活支援では、できないところだけを見るのではなく、体の状態、気持ち、これまでの暮らし、家族や住まいの環境まで合わせて、その人の全体像をとらえます。そのうえで、できる力を活かし、足りないところを補います。本人の選択を尊重し、やりすぎの介護を避けることで、自立と安全の両方を守れます。
1.代わりに行うことに重点を置くと、本人のできる力を奪ってしまいます。
2.正解です。
3.すべてを自分一人でできるようにすることが目標ではありません。
4.効率よりも、本人が望む暮らしを大切にします。
5.同情ではなく、共感と対等な関係が求められます。
問題36
介護老人福祉施設における,快適な室内環境に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1風の通り道をつくって,換気を行う。
- 2手すりは,壁紙と同じ色を使う。
- 3ベッドライトの光源は,利用者の目に直接あたるように調整する。
- 4カビの発生を予防するために,湿度は高く保つ。
- 5靴音を小さくするために,硬い床材にする。
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正答:1
正解は1です。快適な室内環境をつくるには、温度・湿度・換気・照明・音を整えることが大切です。空気の入口と出口をつくって風の通り道をつくると、においや汚れた空気が外に出て、感染の予防にもつながります。季節や利用者の体調に合わせて調整します。
1.正解です。
2.手すりは壁紙と違う色にすると見つけやすく、安全です。
3.光が直接目に入るとまぶしく、休むことができません。
4.湿度を高く保つと、かえってカビが生えやすくなります。
5.硬い床は靴音が響き、転んだときの衝撃も大きくなります。
問題37
パーキンソン病(Parkinson disease)の人の住まいに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1玄関の段差には,スロープを設置する。
- 2廊下の床には,歩幅に合わせて目印をつける。
- 3リビングの床には,大きさの違うカーペットを重ねて敷く。
- 4移動空間が狭くなるように,家具を配置する。
- 5リビングは1階,浴室は2階にして,階段で行き来する。
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正答:2
正解は2です。パーキンソン病では、最初の一歩が出にくくなる「すくみ足」が起こることがあります。廊下の床に歩幅に合わせた線や印をつけると、それが目印になって足が前に出やすくなります。住まいの工夫として適切です。
1.スロープは車いすには役立ちますが、すくみ足による歩きにくさを助けるものではありません。
2.正解です。
3.カーペットを重ねて敷くと段差ができ、つまずきやすくなります。
4.移動空間が狭いと動きにくく、転ぶ危険が増えます。
5.浴室が2階だと階段の上り下りが増え、危険です。
問題38
次の記述のうち,歩行が不安定になり,移動の意欲が低下している利用者に対する介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1福祉用具の使用は避けて,自力での歩行を目指すように促す。
- 2移動の目的を伝えるよりも,歩行機能の改善を優先する。
- 3成功体験を積み重ねることができるように,達成可能な歩行の目標距離を設定する。
- 4歩行の不安定さに合わせて,移動範囲を縮小する。
- 5本人が希望しなくても,介護福祉職の判断で毎日歩くことを目標にする。
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正答:3
正解は3です。歩くことに自信をなくしている人には、無理のない短い距離から目標を決めて、「できた」という成功体験を積み重ねてもらうことが大切です。できたことを言葉で伝えると自信につながり、少しずつ距離を伸ばしていけます。
1.福祉用具を使えば安全に歩けるようになり、意欲も戻りやすくなります。
2.どこへ何をしに行くかという目的があるほうが、意欲は高まります。
3.正解です。
4.移動範囲を狭めるだけでは、活動も意欲もさらに低下します。
5.本人が希望しないのに決めるのは、自己決定の尊重に反します。
問題39
次の記述のうち,右片麻痺のある利用者に対する,仰臥位(背臥位)から車いすへの移乗の介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1利用者に右側臥位になって起き上がるように促す。
- 2端座位になった利用者の左側に立つ。
- 3端座位になった利用者の右側に,車いすを置く。
- 4車いすのフットサポートは下げておく。
- 5移乗するときは,利用者に前傾姿勢をとるように促す。
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正答:5
正解は5です。立ち上がるときは、おじぎをするように上半身を前に傾けると、体重が足に乗ってお尻が浮きやすくなります。右片麻痺のある利用者でも、前傾姿勢を促すことで少ない力で安全に移乗できます。
1.起き上がりは、麻痺のない左側を下にした側臥位から行います。
2.介護福祉職は、麻痺のある右側に立って支えます。
3.車いすは、麻痺のない左側に置きます。
4.フットサポートを下げたままだと足がぶつかるので、移乗のときは上げておきます。
5.正解です。
問題40
視覚障害者の歩行時の誘導に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1介護福祉職は,利用者の半歩後ろで背中を支えながら歩く。
- 2介護福祉職は,白杖に触れながら歩く。
- 3狭い通路では,介護福祉職は利用者の後ろを歩く。
- 4階段利用時は,介護福祉職は階段の前で声かけして止まる。
- 5介護福祉職は,利用者が握っている上肢を振って歩く。
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正答:4
正解は4です。視覚障害のある人を誘導するときは、介護福祉職の腕や肩をつかんでもらい、半歩前を歩きます。階段では手前でいったん止まり、「階段です」「上りです」などと声をかけてから進むと、安心して足を出せます。段差や曲がり角も、一拍前に言葉で伝えます。
1.誘導する人は、利用者の半歩前を歩きます。
2.白杖は本人が使うものなので、介護福祉職は触れません。
3.狭い通路でも介護福祉職が前を歩き、縦に並んで進みます。
4.正解です。
5.腕を振ると体が揺れて、かえって不安になります。
問題41
身じたくの目的に関する次の記述のうち,国際生活機能分類(ICF)における「心身機能・身体構造」の観点が考えられるものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1体温を調整する。
- 2身体を清潔に保つ。
- 3セルフケアを行う。
- 4自分を表現する。
- 5周囲との人間関係を調整する。
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正答:1
正解は1です。国際生活機能分類(ICF)の「心身機能・身体構造」は、体や心のはたらきと、体のつくりを指します。身じたくを整えて体温を調整することは、体のはたらきに関わる目的なので、この観点にあてはまります。
1.正解です。
2.身体を清潔に保つことは、日々の行為なので「活動」に近い内容です。
3.セルフケアを行うことも「活動」にあたります。
4.自分を表現することは、社会とのかかわりである「参加」に近い内容です。
5.周囲との人間関係を調整することも「参加」に関わります。
問題42
次の記述のうち,介護が必要な利用者への口腔ケアとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1仰臥位(背臥位)で行う。
- 2歯垢を除去するためにうがいをしてもらう。
- 3歯ブラシで歯を1,2本ずつ磨く。
- 4スポンジブラシは乾いた状態で使用する。
- 5部分床義歯(局部床義歯)はつけたまま行う。
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正答:3
正解は3です。介護が必要な人の口腔ケアでは、歯ブラシを小さく動かし、歯を1、2本ずつ丁寧に磨きます。こうすると磨き残しが少なくなり、歯垢をしっかり落とすことができます。
1.仰臥位(背臥位)では水や汚れがのどに流れ、誤嚥の危険があります。上体を起こすか、顔を横に向けます。
2.うがいだけでは、歯にくっついた歯垢は落ちません。
3.正解です。
4.スポンジブラシは水で湿らせ、よく絞ってから使います。乾いたままでは粘膜を傷つけます。
5.部分床義歯は外してから、口の中と義歯を別々に清掃します。
問題43
次のうち,右片麻痺の利用者が前開きの上着を着脱するときに介護福祉職が行う説明として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「脱ぐときは,左肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
- 2「脱ぐときは,右肩の衣服を下げてから,右側の袖から腕を抜きましょう」
- 3「襟元を手前にして,腿の上に置きましょう」
- 4「着るときは,右袖を肘まで通してから,左袖を通しましょう」
- 5「着るときは,右袖を肩まで通してから,左袖を通しましょう」
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正答:5
正解は5です。右片麻痺の人の着替えは、「脱ぐときは動かしやすい側(左)から、着るときは動かしにくい側(右)から」が基本です。着るときに右袖を肩までしっかり通しておくと、そのあと左腕を無理なく動かして着ることができます。
1.右(麻痺のある側)の袖から腕を抜く説明なので、脱ぐ順番が逆です。
2.これも右の袖から抜く説明で、適切ではありません。
3.衣服の置き方の説明ですが、置く向きよりも、右(患側)の袖から着るという順序を伝えることが大切なので、最も適切とはいえません。
4.右袖を肘までしか通さないと、あとで肩まで上げにくくなります。
5.正解です。
問題44
次の記述のうち,介護老人福祉施設における食事に関する支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1食堂の換気は,不要である。
- 2食事中は,会話を控えるようにする。
- 3食事が楽しくなるような雰囲気をつくる。
- 4食べ終わった利用者の食器は,すぐに下膳する。
- 5照明は,明るさを25ルクス(lx)以下にする。
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正答:3
正解は3です。食事は栄養をとるだけでなく、楽しみや生きがいにもつながります。明るく落ち着いた雰囲気をつくり、好みや食習慣に配慮することで食欲が出て、食事の時間が待ち遠しいものになります。
1.においがこもらないよう、食堂でも換気は必要です。
2.楽しい会話は食事の楽しみになります。ただし、むせないように見守ります。
3.正解です。
4.すぐに下膳すると急かされている感じになり、落ち着いて過ごせません。
5.25ルクス以下では暗すぎて、食べ物が見えにくくなります。
問題45
次の記述のうち,椅子に座って食事をするときに,利用者が食事をしやすい姿勢を確保するための介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1足底を床につけてもらう。
- 2テーブルと身体の間は30cm離してもらう。
- 3椅子に浅く座ってもらう。
- 4体幹を後方に傾けてもらう。
- 5顎を上げてもらう。
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正答:1
正解は1です。椅子に座って食事をするときは、足の裏をしっかり床につけると体が安定し、姿勢が崩れにくくなります。深く腰かけ、あごを軽く引いた姿勢は、飲み込みやすく、誤嚥を防ぐことにもつながります。足が床に届かないときは、台やクッションで高さを調整します。
1.正解です。
2.テーブルと体の間は、こぶし一つ分ほどが目安です。30cmでは離れすぎです。
3.浅く座ると、姿勢が崩れやすくなります。
4.体幹を後ろに傾けると飲み込みにくく、誤嚥の危険が高まります。
5.あごを上げると気道が開き、誤嚥しやすくなります。
問題46
咀嚼機能が低下した利用者の食事介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1大きめのスプーンで吸い込むように食べてもらう。
- 2一口量は,ティースプーンに軽く一杯を目安にする。
- 3食べる順番は,介護福祉職の判断で行う。
- 4スプーンは,舌の奥にのせるように入れる。
- 5咀嚼が始まったら,すぐに次の食べ物を口に入れる。
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正答:2
正解は2です。かむ力(咀嚼機能)が弱くなった人には、一口の量を少なくすることが大切です。ティースプーンに軽く一杯くらいであれば、口の中でまとめやすく、飲み込みやすくなります。必要に応じて、やわらかい食事にするなど形態の調整も行います。
1.大きめのスプーンで吸い込むように食べると、むせや誤嚥の危険があります。
2.正解です。
3.食べる順番は、本人の希望を大切にします。
4.スプーンを舌の奥にのせると、えずいたり誤嚥したりする危険があります。
5.飲み込んだことを確かめてから、次の一口をすすめます。
問題47
Aさん(80歳,女性,要介護3)は,介護老人福祉施設で生活している。食事は見守りのもとでほぼ自力で摂取しているが,嚥下機能は低下してきている。医師からは,食事摂取に配慮するように指導されている。ある日の昼食中,Aさんは食事を1/3ほど食べたところで箸を止め,表情がこわばり,呼吸もやや浅くなった。
次の記述のうち,介護福祉職が医療職に報告すると同時に,最初に行う対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1血圧を測定する。
- 2口腔の状況を観察する。
- 3口すぼめ呼吸を促す。
- 4その場で仰臥位(背臥位)になってもらう。
- 5すぐに薬を服用してもらう。
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正答:2
正解は2です。Aさんは嚥下機能が低下しており、食事の途中で箸が止まり、表情がこわばって呼吸も浅くなっています。食べ物が口やのどに残っている可能性があるので、まず口の中を見て、残っていないか、詰まっていないかを確かめます。そのうえで食事をいったん中止し、医療職の指示を受けます。
1.血圧の測定よりも、口の中と呼吸の確認が先です。
2.正解です。
3.口すぼめ呼吸は、この場面で行う対応ではありません。
4.その場であお向けにすると、かえって詰まりやすく危険です。
5.薬を飲ませるかどうかを介護福祉職が判断することはできません。
問題48
ベッド上で行う陰部洗浄に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1滅菌手袋を使用して行う。
- 2上半身はベッドの手前端に移動する。
- 3バスタオルで両下肢を包む。
- 4洗浄する時は,43℃のお湯を用いる。
- 5終了後は,蒸しタオルで水分を拭き取る。
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正答:3
正解は3です。陰部洗浄は、体が冷えないようにし、恥ずかしさにも配慮して行います。両下肢をバスタオルで包むと、余計な露出を減らせて保温にもなります。洗うときは前から後ろへ向かって行い、感染を防ぎます。
1.滅菌手袋までは必要なく、使い捨ての手袋で行います。
2.手前に寄せるのは上半身ではなく、洗う下半身のほうです。
3.正解です。
4.43℃は熱すぎるので、体温より少し高いくらいのぬるめのお湯を使います。
5.終わったあとは、乾いたタオルで水分をしっかり拭き取ります。
問題49
腹部の清拭の方法を図に示す。矢印は拭く方向を表している。
次のうち,基本的な清拭の方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

- 1図1
- 2図2
- 3図3
- 4図4
- 5図5
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正答:2
正解は2です。腹部の清拭は、大腸の走り方に沿って時計回りに、「の」の字を描くように拭くのが基本です。こうすると腸の動きが促され、便が出やすくなります。図では、2が時計回りに円を描く矢印です。
1.図1は左右に折り返すジグザグの動きで、腸の走り方に沿っていません。
2.正解です。図2は時計回りに円を描く動きです。
3.図3は上に向かうジグザグの動きで、腸の走り方に沿っていません。
4.図4も円を描いていますが、向きが反時計回りで、腸の動きとは逆になります。
5.図5も左右に折り返すジグザグの動きで、腸の走り方に沿っていません。
問題50
Aさん(55歳,男性,会社員)は,20歳のときに交通事故で第5頚髄(C5)を損傷した。現在,電動車いすを利用し,自宅で自立した生活を送っている。身体状況は安定しているが,ときどき仙骨部に褥瘡ができることがある。入浴は,居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用していて,訪問介護員(ホームヘルパー)が福祉用具を用いて入浴介護をしている。
次のうち,Aさんが入浴時に使用している福祉用具として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1移乗台
- 2バスボード
- 3入浴用リフト
- 4浴槽用手すり
- 5滑り止めマット
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正答:3
正解は3です。Aさんは20歳のときに第5頚髄(C5)を損傷し、現在は電動車いすを使っています。手や指を使う力、体を支える力が弱いため、自分で浴槽をまたいだり、座った姿勢を保ったりすることが難しい状態です。訪問介護員が安全に入浴を介護するには、体を持ち上げて移動できる入浴用リフトが適しています。
1.移乗台は、自分で座った姿勢を保って移れる人に向いています。
2.バスボードも、自分でお尻を動かして移る力が必要です。
3.正解です。
4.浴槽用手すりは、手で握って体を支えられる人が使うものです。
5.滑り止めマットは、自分で立てる人の転倒予防に使います。
問題51
Aさん(85歳,男性,要介護3)は,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断され,認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)で生活をしている。入所時,Aさんは,尿意や便意はあり,自分でトイレに行って排泄できていた。最近,認知機能の低下によって,トイレ以外の場所で排泄するようになった。
次の記述のうち,Aさんの状態に合わせた介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1骨盤底筋訓練を行う。
- 2紙おむつを使用する。
- 3一日の水分摂取量を減らす。
- 4ほかの利用者と同じ時間にトイレへ誘導する。
- 5トイレの出入口に「トイレ」と書いた紙を貼る。
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正答:5
正解は5です。Aさんは尿意や便意があり、入所したころは自分でトイレに行って排泄できていました。認知機能が低下してトイレの場所が分かりにくくなっているので、出入口に「トイレ」と書いた紙を貼るなど、目で見て分かる手がかりを増やすと、また自分で行けるようになります。
1.骨盤底筋訓練は、腹圧がかかったときの尿もれなどに行うもので、Aさんの状態には合いません。
2.紙おむつを使うと、できていた力を奪ってしまいます。
3.水分摂取量を減らすと、脱水や便秘を招きます。
4.ほかの利用者に合わせるのではなく、Aさんのリズムに合わせます。
5.正解です。
問題52
次のうち,下痢をしている利用者の水分補給として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1白湯
- 2牛乳
- 3炭酸水
- 4コーヒー
- 5冷水
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正答:1
正解は1です。下痢のときは、腸を刺激しないものを選び、少しずつこまめに水分をとることが大切です。白湯は刺激が少なく、体も冷やさないので適しています。脱水にならないように、飲んだ量や回数、便の様子を見ていきます。
1.正解です。
2.牛乳は、人によっておなかがゆるくなることがあります。
3.炭酸水は、腸を刺激することがあります。
4.コーヒーにはカフェインが含まれ、腸を刺激します。
5.冷水は腸を刺激し、下痢を強めることがあります。
問題53
Aさん(83歳,男性,要介護1)は,一人暮らしで,少額の年金で生活している。Aさんは軽度の認知症(dementia)と診断を受けている。近所には親しくしている人が複数人いる。ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると,近所のスーパーで購入した未開封の健康食品が山積みになっていた。Aさんが財布を持ってきて,「買いたいものがたくさんあるが,お金が足りない。どうしたらよいか」と訪問介護員(ホームヘルパー)に相談した。
このときの訪問介護員(ホームヘルパー)の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1「お金は足りているから安心して大丈夫ですよ」と伝える。
- 2近所の親しい人に,財布を預かってもらえるか,聞いてみる。
- 3鍵付きの引き出しに財布を入れ,訪問介護員(ホームヘルパー)が鍵を管理する。
- 4「お金の使い方について,一緒に考えてみませんか」と提案する。
- 5健康食品のクーリング・オフを勧める。
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正答:4
正解は4です。Aさんは軽度の認知症があり、健康食品を買い込んで「お金が足りない。どうしたらよいか」と困っています。訪問介護員が答えを押しつけるのではなく、「一緒に考えてみませんか」と提案することで、Aさんの気持ちと判断を尊重しながら、必要な支援につなげることができます。
1.お金は足りていないので、事実と違うことを伝えてはいけません。
2.近所の親しい人でも、財布を預けることは金銭のトラブルのもとになります。
3.訪問介護員が利用者の財布や鍵を管理することは、仕事の範囲を超えています。
4.正解です。
5.店に出向いて自分で買ったものは、クーリング・オフの対象になりません。
問題54
繊維や衣類の性質と洗濯方法に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
- 1綿の柄物シャツには酸素系漂白剤を使う。
- 2ナイロンのレインウエアは脱水時間を長くする。
- 3ウールのニットセーターは乾燥機を使う。
- 4レーヨンのパジャマはすすぎ時間を長くする。
- 5絹のブラウスには弱アルカリ性洗剤を使う。
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正答:1
正解は1です。綿は比較的じょうぶな繊維で、酸素系漂白剤なら色や柄をあまりいためずに使うことができます。塩素系漂白剤は色柄物には向きません。素材の性質を知ることが、衣類を長持ちさせる基本です。
1.正解です。
2.ナイロンは水が切れやすく、長く脱水するとしわやいたみの原因になるので、脱水は短めにします。
3.ウールは乾燥機の熱と回転で縮んでしまうため使いません。
4.レーヨンは水にとても弱く、すすぎを長くすると縮みや型くずれが起こります。
5.絹は弱アルカリ性洗剤でいたむので、中性洗剤を使います。
問題55
Aさん(82歳,女性,要介護1)は,訪問介護(ホームヘルプサービス)を週1回利用し,生活援助を受けながら,自宅で一人暮らしをしている。調理はAさん本人が行うなど,できることは自分で行いたいと思っている。ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)はAさんから買物リストを渡されて,近くのスーパーで食材を購入してきた。
次の記述のうち,Aさんへの生活援助における訪問介護員(ホームヘルパー)の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1依頼された食材が安かったので,リストに書かれた数より多く購入した。
- 2おつりとレシート,購入した食材の確認を,Aさんにすべて任せた。
- 3冷蔵庫を開けたとき,賞味期限切れの食材があったため廃棄した。
- 4買物リストは,次から訪問介護員(ホームヘルパー)が書くことを提案した。
- 5購入した食材で調理しにくいものがないか,Aさんに確認した。
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正答:5
正解は5です。Aさん(82歳,要介護1)は一人暮らしで、調理は自分で行い、できることは自分で行いたいと思っています。ですから、買ってきた食材の中に調理しにくいものがないかを本人に確認することは、Aさんの力を活かし、自立した生活を支える対応になります。
1.安くてもリストより多く買うのは、本人の意思や金銭の管理を無視することになります。
2.おつりとレシート、食材の確認はAさんと一緒に行い、すべてを任せきりにはしません。
3.賞味期限が切れていても、勝手に捨てず本人に確認します。
4.買物リストを訪問介護員が書くと、Aさんが自分でできることを奪ってしまいます。
5.正解です。
問題56
次の記述のうち,良質な睡眠のための環境づくりとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1日中は,強度の高い運動を多く取り入れる。
- 2夜食は,就寝直前にとる。
- 3入浴は,就寝の1~2時間前に行う。
- 4眠気がなくても,決まった時間に目を閉じる。
- 5寝ている間も,照明は明るくしておく。
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正答:3
正解は3です。入浴で温まった体は、そのあと少しずつ体温が下がっていきます。この下がる流れが自然な眠気をつくるため、就寝の1〜2時間前の入浴がよいとされます。睡眠は生活リズムと環境の調整を積み重ねて整えます。
1.日中の運動は適度な強さがよく、強すぎる運動を多く行うと体が興奮したり疲れすぎたりします。
2.就寝直前の夜食は胃腸が働き続け、眠りをさまたげます。
3.正解です。
4.眠気がないのに目を閉じても、かえって眠れないつらさが強くなります。
5.寝ている間の明るい照明は眠りを浅くするので、暗くします。
問題57
Aさん(83歳,女性,要介護3)は,脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり,介護老人福祉施設に入所している。ある日の夜間,仰臥位(背臥位)で寝ていたAさんが,「背中が重く感じて,眠れない」と介護福祉職に訴えた。
次の記述のうち,介護福祉職がAさんに行う介護として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1ファーラー位にして,左下肢にクッションを入れる。
- 2両上肢の下に,クッションを入れる。
- 3両膝窩部に,クッションを入れる。
- 4右側臥位にして,クッションを抱いてもらう。
- 5右下肢の足部に,クッションを入れる。
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正答:4
正解は4です。Aさん(83歳,要介護3)は左片麻痺があり、仰臥位のまま「背中が重く感じて,眠れない」と訴えています。同じ姿勢が続いて背中に圧がかかっているので、体位を変えて背中の圧を減らすことが必要です。麻痺のない右側を下にした右側臥位は体が安定し、クッションを抱くことで安心感が得られ、体圧も分散されます。
1.ファーラー位では背中の圧は減らず、訴えに合いません。
2.両上肢の下にクッションを入れても、背中の重さは変わりません。
3.両膝窩部にクッションを入れても仰臥位のままで、背中の除圧になりません。
4.正解です。
5.右下肢の足部にクッションを入れても、背中の訴えには対応できません。
問題58
次の記述のうち,介護老人福祉施設で,終末期にある利用者とその家族に行う介護福祉職の支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1利用者の苦しそうな姿を見せないように,家族には面会を控えてもらう。
- 2利用者と家族の関係が良好でない場合は,家族と連絡を取らないようにする。
- 3好きなものや食べたいものがある場合は,家族に持ってきてもらう。
- 4苦痛を訴える場合は,家族から激励してもらう。
- 5家族が不安になるため,体調の変化は伝えないようにする。
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正答:3
正解は3です。終末期では、その人らしい生活を最後まで支えることが大切です。好きなものや食べたいものを家族に持ってきてもらうことは、本人の望みをかなえると同時に、家族が最期の時間にかかわる機会にもなり、思い出や安心感を支えます。
1.苦しそうな姿を理由に面会を控えてもらうと、家族の大切な時間を奪ってしまいます。
2.関係が良好でない場合でも、家族への連絡は必要です。
3.正解です。
4.苦痛を訴えているときに激励してもらうのではなく、まず苦痛をやわらげます。
5.体調の変化は、家族が心の準備をするためにも伝えます。
問題59
次の記述のうち,施設で亡くなった利用者家族への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1悲しみの表出があった時点からかかわりを開始する。
- 2傾聴よりも励ますことを重視する。
- 3悲嘆は特異な反応のため注意する。
- 4故人との思い出には触れないようにする。
- 5悲嘆が長期化した場合は,専門医等へ相談するように助言する。
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正答:5
正解は5です。家族を亡くした悲しみ(悲嘆)が長く続き、生活に支障が出る場合には、専門医などへ相談するように助言します。介護福祉職だけで抱え込まず、必要な支援につなぐことが大切です。
1.かかわりは悲しみが表に出てから始めるのではなく、亡くなる前から続いています。
2.無理に励ますよりも、話を聴くこと(傾聴)を大切にします。
3.悲嘆は特異な反応ではなく、だれにでも起こる自然な反応です。
4.故人との思い出を語り合うことは、家族の支えになります。
5.正解です。
問題60
次のうち,固定式歩行器が適した利用者として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1対麻痺で,下肢を交互に出すことができない人
- 2片麻痺があって,麻痺側の指関節の拘縮がある人
- 3両上肢の筋力が弱く,手関節に痛みがある人
- 4両手の握力が保たれていて,数秒程度の立位保持ができる人
- 5右の足根骨を骨折して,右下肢に体重をかけることができない人
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正答:4
正解は4です。固定式歩行器は、両手で持ち上げて前に置き、そのあと足を進めて使います。持ち上げている間は自分で立っていなければならないので、両手の握力が保たれていて、数秒程度の立位保持ができる人に適しています。
1.対麻痺で下肢を交互に出せない人は、歩行器を使って歩き進めることが難しいです。
2.麻痺側の指関節に拘縮があると、両手でしっかり握ることができません。
3.両上肢の筋力が弱く手関節に痛みがあると、持ち上げる動作が大きな負担になります。
4.正解です。
5.右下肢に体重をかけられない人を、この歩行器で安全に支えることはできません。
出典
- 社会福祉振興・試験センター「過去の試験問題」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 介護福祉士国家試験 合格基準・正答一覧」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_kijun_seitou.pdf - 社会福祉振興・試験センター「過去問題利用にあたっての留意事項等」
https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 試験問題(生活支援技術)」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_am_06_38.pdf
確かめた日:2026年11月6日
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