この科目群について
第38回の 介護福祉士国家試験で、「こころとからだのしくみ」は パートBに 入っていて、問題61〜72の 12問 でした。
合格するには、総得点の 合格基準(第38回は 125点のうち 64点以上)を 満たし、さらに 11の 科目群 すべてで 得点が あることが 必要でした。くわしくは 合格基準の 記事 を 見てください。
問題と 正答は、社会福祉振興・試験センターが 公開している 第38回の 試験問題と「合格基準・正答一覧」に よります。問題の 文は 変えていません。
解説は PassQuest が 独自に 書いたもので、社会福祉振興・試験センターとは 関係が ありません。
法律や 制度は、試験の あとに 変わることが あります。新しい 情報も、公式の 案内で 確かめてください。
問題の一覧
問題を 読んで、自分で 答えを 決めてから「答えと解説を見る」を 開いてください。
問題61
次のうち,比較的短い時間に限られる大きな感情の動きに該当するものとして,適切なものを1つ選びなさい。
- 1条件づけ
- 2短期記憶
- 3気分
- 4思考
- 5情動
答えと解説を見る
正答:5
正解は5です。情動とは、うれしさ、怒り、驚きなどのように、比較的短い時間に強く起こる大きな感情の動きのことです。どきどきするなどの体の反応をともなうことも特徴で、感情を理解することは対人支援の基礎になります。
1.条件づけは、経験によって刺激と反応が結びつく学習のしくみです。
2.短期記憶は、短い間だけ情報をとどめておく記憶のことです。
3.気分は、情動よりも弱く、長く続く感情の状態です。
4.思考は、考えたり判断したりする心の働きです。
5.正解です。
問題62
次の記述のうち,脳のしくみとその働きとして,適切なものを1つ選びなさい。
- 1神経細胞は,神経膠細胞(グリア細胞)を支える。
- 2神経膠細胞(グリア細胞)は,情報伝達をつかさどる。
- 3セロトニン(serotonin)は,神経伝達物質の1つである。
- 4頭頂葉には,運動野が存在する。
- 5海馬は,視覚をつかさどる。
答えと解説を見る
正答:3
正解は3です。セロトニンは神経伝達物質の一つで、気分や睡眠の調整に関係しています。脳の働きを知ることは、利用者の行動の変化の背景を考える助けになります。
1.反対で、神経膠細胞(グリア細胞)が神経細胞を支えたり栄養を与えたりします。
2.情報伝達をつかさどるのは神経細胞です。
3.正解です。
4.運動野があるのは前頭葉で、頭頂葉は感覚などにかかわります。
5.海馬は記憶にかかわる部位で、視覚をつかさどるのは後頭葉です。
問題63
次の記述のうち,循環器系のしくみとして,正しいものを1つ選びなさい。
- 1心臓は体性神経が支配している。
- 2肺動脈には静脈血が流れている。
- 3左心室から出た血液は大静脈へ流れる。
- 4リンパ管には血液が流れている。
- 5静脈血とは酸素を多く含む血液である。
答えと解説を見る
正答:2
正解は2です。全身をめぐって酸素が少なくなった血液(静脈血)は、右心室から肺動脈を通って肺へ送られます。肺で酸素を受け取ると動脈血になり、肺静脈から心臓へ戻ります。名前は動脈でも、中を流れているのは静脈血です。
1.心臓を支配しているのは自律神経で、体性神経ではありません。
2.正解です。
3.左心室から出た血液は大動脈へ流れます。
4.リンパ管を流れているのはリンパ液です。
5.静脈血は酸素が少ない血液で、酸素を多く含むのは動脈血です。
問題64
次の記述のうち,人の動作時に収縮する筋肉に関する説明として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1立位を保持するときは大殿筋が収縮する。
- 2膝の屈曲には大腿四頭筋が収縮する。
- 3肘の屈曲には上腕三頭筋が収縮する。
- 4肩関節を内転するときは三角筋が収縮する。
- 5足関節の底屈では前脛骨筋が収縮する。
答えと解説を見る
正答:1
正解は1です。大殿筋はおしりにある大きな筋肉で、股関節を伸ばして体を起こした姿勢に保つ働きをします。立位を保持するときに収縮し、姿勢を安定させます。姿勢を保つ筋肉を知ることは、転倒予防や介助の工夫につながります。
1.正解です。
2.膝を曲げるときに働くのは大腿の後ろ側の筋肉で、大腿四頭筋は膝を伸ばすときに収縮します。
3.肘を曲げるのは上腕二頭筋で、上腕三頭筋は肘を伸ばすときに働きます。
4.三角筋は、肩関節を外転するときに収縮します。
5.足関節の底屈ではふくらはぎの筋肉が働き、前脛骨筋は背屈のときに収縮します。
問題65
次のうち,白内障(cataract)で混濁する部位として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1網膜
- 2角膜
- 3脈絡膜
- 4硝子体
- 5水晶体
答えと解説を見る
正答:5
正解は5です。白内障は、目の中でレンズの役割をしている水晶体が濁る病気です。濁ると光がうまく通らず、かすんで見えたり、まぶしく感じたりします。見えにくさは転倒の危険にもつながるので、見え方の変化に気づくことが支援の第一歩になります。
1.網膜は、目に入った光を感じ取る膜です。
2.角膜は、目のいちばん表面にある透明な膜です。
3.脈絡膜は網膜の外側にあり、目に栄養を送ります。
4.硝子体は、眼球の中を満たしているゼリー状の部分です。
5.正解です。
問題66
次の記述のうち,低栄養の高齢者にみられる症状や行動の特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1唾液の分泌が増加する。
- 2腸蠕動が亢進する。
- 3食べこぼしが減る。
- 4偏りのある食べ方をする。
- 5体重が増える。
答えと解説を見る
正答:4
正解は4です。低栄養の高齢者は、食欲が落ちたり、同じものばかり食べたりして、偏りのある食べ方になりやすくなります。偏りが続くと栄養が足りなくなり、筋力の低下や免疫の低下につながります。食事の内容と量をよく見ることが、早期発見に役立ちます。
1.唾液の分泌は増えるのではなく、減りやすくなります。
2.腸の蠕動も亢進ではなく、低下しやすくなります。
3.筋力が落ちるため、食べこぼしはむしろ増えます。
4.正解です。
5.必要な栄養がとれていないので、体重は減っていきます。
問題67
次のうち,バリア機能をもつ表皮の構造として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1汗腺
- 2角質層
- 3基底層
- 4有棘層
- 5顆粒層
答えと解説を見る
正答:2
正解は2です。角質層は表皮のいちばん外側にある層で、水分を保ちながら、細菌や刺激が体の中に入るのを防ぐバリア機能をもっています。皮膚が乾燥したり傷ついたりすると感染しやすくなるため、保湿のケアが大切です。
1.汗腺は汗を出して体温を調節する器官で、バリア機能をもつ表皮の層ではありません。
2.正解です。
3.基底層は、新しい細胞をつくる表皮のいちばん内側の層です。
4.有棘層は基底層の上にあり、細胞どうしがしっかりつながっている層です。
5.顆粒層は、角質層のすぐ下にある層です。
問題68
Aさん(98歳,女性)は,認知症(dementia)があるが,食事動作は自立していた。最近,配膳されても食事動作が始まらないことが増えてきた。介護福祉職が献立や食材などの説明をしたところ,Aさんは食べ始めるようになった。
次の摂食嚥下の5期のうち,介護福祉職が支援した期として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1先行期
- 2準備期
- 3口腔期
- 4咽頭期
- 5食道期
答えと解説を見る
正答:1
正解は1です。摂食嚥下の5期のうち先行期は、目の前のものを食べ物だと認識し、食べようと思って口へ運ぶ段階です。Aさん(98歳)は配膳されても食事動作が始まらなくなっていましたが、介護福祉職が献立や食材を説明したことで食べ始めました。これは先行期への支援にあたります。
1.正解です。
2.準備期は、口に入れた食べ物をかんで、飲み込みやすいかたまりにする段階です。
3.口腔期は、そのかたまりを舌でのど(咽頭)へ送る段階です。
4.咽頭期は、飲み込む反射によってのどから食道へ送られる段階です。
5.食道期は、食道から胃へ運ばれる段階です。
問題69
次のうち,健康な成人において,横行結腸の次に便が通過する部位として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1盲腸
- 2上行結腸
- 3下行結腸
- 4S状結腸
- 5直腸
答えと解説を見る
正答:3
正解は3です。便は、盲腸から上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸の順に通っていきます。ですから、横行結腸の次に通るのは下行結腸です。大腸の流れがわかると、便秘やおなかの症状を理解しやすくなります。
1.盲腸は大腸の入り口で、いちばん初めの部分です。
2.上行結腸は、横行結腸より前を通る部分です。
3.正解です。
4.S状結腸は、下行結腸の次に通る部分です。
5.直腸はいちばん最後の部分で、便がたまると便意が起こります。
問題70
Aさん(80歳,男性)は,半年前から急に便秘になり,最近では排便回数が5日に1回程度となった。腹部は膨満していて,便は細く,血液が付着することがあるという。
次の記述のうち,Aさんの便秘に対する対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1水分摂取を促す。
- 2食物繊維の摂取を促す。
- 3散歩などの運動を促す。
- 4腹部のマッサージを行う。
- 5医療機関の受診を促す。
答えと解説を見る
正答:5
正解は5です。Aさん(80歳,男性)は半年前から急に便秘になり、排便は5日に1回程度、腹部は膨満し、便は細く、血液が付着することもあります。急に始まった便秘、細い便、血液は、腸の病気などが隠れているおそれを示す変化です。自己判断せず、医療機関の受診を促すことが安全な対応になります。
1.水分摂取は大切ですが、この場合は受診が先です。
2.食物繊維も同じで、これだけでは原因に対応できません。
3.散歩などの運動も、この症状には十分ではありません。
4.腹部のマッサージは、原因がわからないまま行うと体に負担をかけることがあります。
5.正解です。
問題71
次のうち,65歳の人の妥当な睡眠時間として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1約12時間
- 2約10時間
- 3約8時間
- 4約6時間
- 5約4時間
答えと解説を見る
正答:4
正解は4です。年をとると眠りは浅くなり、必要な睡眠時間も少しずつ短くなっていきます。65歳の人では、およそ6時間くらいが妥当とされています。長く寝ようとして早くから床に入ると、かえって眠れずつらくなることがあるので、生活のリズムを整えることが大切です。
1.約12時間は幼い子どもに近い長さで、高齢者には長すぎます。
2.約10時間も長すぎます。
3.約8時間は若い世代の目安に近く、65歳の人には長めです。
4.正解です。
5.約4時間は短すぎて、日中の眠気や体調不良につながります。
問題72
キューブラー・ロス(Kubler-Ross, E.)が示した終末期にある人の死の受容プロセスのうち「抑うつ」の段階として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1第1段階
- 2第2段階
- 3第3段階
- 4第4段階
- 5第5段階
答えと解説を見る
正答:4
正解は4です。キューブラー・ロスは、死を受け入れるまでの心の動きを、否認、怒り、取引、抑うつ、受容の5つの段階で示しました。抑うつはその4番目で、失うことへの深い悲しみや無力感があらわれる段階です。
1.第1段階は否認で、事実を認めたくない気持ちが強い時期です。
2.第2段階は怒りで、「なぜ自分が」という思いが出ます。
3.第3段階は取引で、何かと引きかえに助かりたいと願います。
4.正解です。
5.第5段階は受容で、静かに現実を受け入れていきます。段階は行きつ戻りつすることもあります。
出典
- 社会福祉振興・試験センター「過去の試験問題」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 介護福祉士国家試験 合格基準・正答一覧」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_kijun_seitou.pdf - 社会福祉振興・試験センター「過去問題利用にあたっての留意事項等」
https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 試験問題(こころとからだのしくみ)」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_pm_01_38.pdf
確かめた日:2026年11月6日
PassQuest(パスクエスト)では、介護福祉士国家試験の 過去問 14年分を、ふりがなと 5つの言葉の訳つきで 練習できます。2027年1月31日(試験日)まで 無料です。