この科目群について
第38回の 介護福祉士国家試験で、「発達と老化の理解」は パートBに 入っていて、問題73〜80の 8問 でした。
合格するには、総得点の 合格基準(第38回は 125点のうち 64点以上)を 満たし、さらに 11の 科目群 すべてで 得点が あることが 必要でした。くわしくは 合格基準の 記事 を 見てください。
問題と 正答は、社会福祉振興・試験センターが 公開している 第38回の 試験問題と「合格基準・正答一覧」に よります。問題の 文は 変えていません。
解説は PassQuest が 独自に 書いたもので、社会福祉振興・試験センターとは 関係が ありません。
法律や 制度は、試験の あとに 変わることが あります。新しい 情報も、公式の 案内で 確かめてください。
問題の一覧
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問題73
次の記述のうち,ハヴィガースト(Havighurst, R.)の示す中年期の発達課題に該当するものとして,適切なものを1つ選びなさい。
- 1良心,道徳心,価値尺度を発達させる。
- 2成人としての市民的・社会的責任を達成する。
- 3満足できる住宅を確保する。
- 4男性あるいは女性の社会的役割を身につける。
- 5気心の合う社交集団を見つける。
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正答:2
正解は2です。ハヴィガーストは、人生のそれぞれの時期に達成すべき発達課題を示しました。中年期の課題には、仕事や家庭、地域の中で、大人としての市民的・社会的責任を果たすことが含まれます。役割を担う意識が、自分らしさを支えます。
1.良心、道徳心、価値尺度を発達させることは、児童期の課題とされています。
2.正解です。
3.満足できる住宅を確保することは、老年期の課題にあげられています。
4.男性あるいは女性の社会的役割を身につけることは、青年期の課題です。
5.気心の合う社交集団を見つけることは、中年期より前の成人初期(壮年初期)の課題とされています。
問題74
次の記述のうち,自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)の特徴として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1文字のつづりがうまく書けず,類似の文字を間違えたりする。
- 2同じ動作や行動を繰り返す。
- 3注意の持続が難しい。
- 4順番を待てずに割り込む。
- 5数の大小の比較が難しい。
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正答:2
正解は2です。自閉症スペクトラム障害は、人とのやりとりが苦手なことと、同じ動作や行動を繰り返す「こだわり」が大きな特徴です。決まった手順や並べ方にこだわり、変化があると強く不安になることもあります。特性を理解し、見通しを持てる環境を整えることが安心につながります。
1.文字のつづりがうまく書けないのは、学習障害(限局性学習症)の特徴です。
2.正解です。
3.注意の持続が難しいのは、ADHD(注意欠陥多動性障害)の特徴です。
4.順番を待てずに割り込むのも、ADHDの衝動性の特徴です。
5.数の大小の比較が難しいのも、学習障害の特徴です。
問題75
次のうち,健康な状態と心身の機能が低下して介護等が必要な状態の中間を示す用語として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1エイジング(aging)
- 2サルコペニア(sarcopenia)
- 3ロコモティブシンドローム
- 4ホメオスタシス(homeostasis)
- 5フレイル(frailty)
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正答:5
正解は5です。フレイルは、健康な状態と、介護が必要な状態のちょうど中間の状態です。心身の予備の力が落ちて弱くなっていますが、栄養・運動・社会参加によって元に戻せる可能性があります。早く気づいて支えることが大切です。
1.エイジングは、年をとること(加齢)そのものを指す言葉です。
2.サルコペニアは、加齢などで筋肉の量と力が減った状態です。
3.ロコモティブシンドロームは、骨や関節、筋肉が弱って移動が難しくなる状態です。
4.ホメオスタシスは、体の状態を一定に保つはたらき(恒常性)です。
5.正解です。
問題76
高齢者のセクシュアリティ(sexuality)に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1高齢になると性への関心がなくなる。
- 2男性は,高齢になっても性ホルモンの分泌が維持される。
- 3女性は,高齢になると性交痛を感じやすくなる。
- 4高齢者は生殖機能の喪失と同時にセクシュアリティ(sexuality)を喪失する。
- 5高齢者の性的欲求に,性差はみられない。
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正答:3
正解は3です。女性は高齢になると女性ホルモン(エストロゲン)が減り、腟の粘膜がうすく乾きやすくなります。そのため、性交のときに痛みを感じやすくなります。高齢者の性は尊厳に関わることとして、大切に受け止めます。
1.高齢になっても、性への関心がなくなるわけではありません。
2.男性も加齢とともに、性ホルモンの分泌は少しずつ減っていきます。
3.正解です。
4.生殖の機能がなくなっても、セクシュアリティが失われるわけではありません。
5.性的な欲求のあらわれ方には、男女で違いがみられます。
問題77
Aさん(22歳,女性)は,施設で介護福祉職として勤務し,食事や睡眠を工夫しながら,一人暮らしをしている。日々の生活や勤務状況に問題はない。職場にAさんと年齢の近い介護福祉職はおらず,休憩時間や休みの日も一人で過ごしている。Aさんは,「自分の仕事ぶりを上司に認めてほしいという気持ちはない。それよりも,仕事やそれ以外のことを深く話せる同年代の同僚がほしい」と思っている。
次のマズロー(Maslow, A.H.)の欲求階層説の各段階のうち,Aさんの現在の気持ちが当てはまるものとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1生理的欲求
- 2所属・愛情欲求
- 3安全欲求
- 4承認欲求
- 5自己実現欲求
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正答:2
正解は2です。Aさん(22歳,女性)は食事や睡眠を工夫でき、仕事にも問題がないので、生理的欲求や安全欲求は満たされています。そのうえで「上司に認めてほしい気持ちはない」「深く話せる同年代の同僚がほしい」と思っています。これは仲間とつながりたい所属・愛情欲求にあたります。
1.生理的欲求は食事や睡眠など生きるための欲求で、Aさんは満たされています。
2.正解です。
3.安全欲求は安全で安定した生活を求める欲求で、生活は安定しています。
4.承認欲求は認められたい欲求ですが、Aさんは望んでいません。
5.自己実現欲求は自分らしさを発揮したい欲求で、今のAさんの中心ではありません。
問題78
次のうち,加齢に伴い階段を上ると息切れしやすくなる現象に関係する恒常性の機能として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1予備力
- 2適応力
- 3免疫力
- 4抵抗力
- 5回復力
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正答:1
正解は1です。予備力とは、ふだんは使っていない余力のことです。加齢とともに心臓や肺の予備力が下がるため、階段を上るような負担がかかると余力が足りず、息切れしやすくなります。休憩を入れるなど、無理のない活動の工夫が必要です。
1.正解です。
2.適応力は、環境の変化に体を合わせる力です。
3.免疫力は、細菌やウイルスから体を守る力です。
4.抵抗力は、病気に負けずにこらえる力です。
5.回復力は、傷や病気から元の状態に戻る力です。
問題79
次の記述のうち,高齢者の疾患や症状の特徴として,適切なものを1つ選びなさい。
- 1典型的な症状を呈する。
- 2生活が活発になる。
- 3痛みに敏感になる。
- 4複数の疾患を持ちやすい。
- 5慢性的な疾患は少ない。
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正答:4
正解は4です。高齢者は、高血圧や糖尿病、関節の病気など、いくつもの病気を同時に持ちやすいことが特徴です。そのため薬も多くなりやすく、症状も分かりにくくなります。一つの原因と決めつけず、ふだんの生活の変化をていねいに観察することが早期発見につながります。
1.高齢者は典型的な症状が出にくく、はっきりしないことが多いです。
2.病気を持つと活動が減り、生活は不活発になりやすいです。
3.痛みはむしろ感じにくくなることが多く、発見が遅れることがあります。
4.正解です。
5.慢性的な疾患は少なくなく、むしろ多くみられます。
問題80
Aさん(82歳,女性)は,介護老人保健施設に入所している。朝,眠そうな様子であったため,介護福祉職がどうしたのかと尋ねると,Aさんは,「夜,足や背中がかゆくてあまり眠れなかった」と話した。看護師と共に足や背中を観察すると,皮膚が乾燥していて,引っ掻いたような傷があった。そのほかに皮膚の異常はみられなかった。Aさんは寒さに弱く,今は冬なので常に電気毛布を使用している。昨日は入浴日であった。
次のうち,Aさんに生じている可能性がある疾患として,最も適切なものを1つ選びなさい。
- 1角化型疥癬(hyperkeratotic scabies)
- 2帯状疱疹(herpes zoster)
- 3褥瘡
- 4老人性皮膚掻痒症(senile pruritus)
- 5閉塞性動脈硬化症(arteriosclerosis obliterans)
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正答:4
正解は4です。Aさん(82歳,女性)の皮膚は乾燥していて、引っ掻いたような傷のほかに異常はありません。冬に電気毛布を使い続けると皮膚はさらに乾き、かゆみが強くなります。乾燥によるかゆみなので、老人性皮膚掻痒症が最も考えられます。保湿と室温や寝具の調整が大切です。
1.角化型疥癬では、厚くなった皮膚(角質)の変化がみられ、感染力が強いです。
2.帯状疱疹は、体の片側に帯のような水ぶくれと強い痛みが出ます。
3.褥瘡は骨の出た部分が圧迫されてできる傷で、Aさんの傷は掻いたあとです。
4.正解です。
5.閉塞性動脈硬化症は、足の血流が悪くなり、歩くと足が痛む病気です。
出典
- 社会福祉振興・試験センター「過去の試験問題」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 介護福祉士国家試験 合格基準・正答一覧」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_kijun_seitou.pdf - 社会福祉振興・試験センター「過去問題利用にあたっての留意事項等」
https://www.sssc.or.jp/pastissues/index.html - 社会福祉振興・試験センター「第38回 試験問題(発達と老化の理解)」
https://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/pdf/no38/k_pm_02_38.pdf
確かめた日:2026年11月6日
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